
文具好き必見! ペノンのエシカルな【木製ボールペン】、その持ちやすさの秘訣とは?
マジカルファクトリーツアー 服や時計、靴などのアイテムがどうやって作られているのか調査するべく、編集部員が生産現場へレッツゴー!連載一覧はこちら
物心ついたときから毎日手にしているペンや鉛筆。当たり前に使っているけど、持ちやすさの秘訣は一体!? 意外と知らない製造過程を見るべく東京の下町へ行ってきました!

私が行ってきました!
編集部 オオヤマ
最近ハマっていることは、友人に手紙を送ること。文字をタイプすることが多い現代こそ、美文字を書きたい~!
職業柄、ペンや鉛筆で文字を書くことが多く、文房具には少しこだわりがあります。
最近使っているぺノンのボールペンは、六角形でツルツルの木軸がお気に入り。持ちやすく、触り心地もいいから、おかげで仕事がはかどります。
でも、毎日使って触れているのに、どうやって作られているのか、知らない!ということに気付き、工場取材してきました。
その日の天気に応じた微調整でツルツルな触り心地を実現!

まず、木軸の材料として使われているのは、持続可能な社会づくりに貢献する「PEFC森林認証」を受けた木材。木を使用する商品ってなんだか環境に悪そう、なんて思ってしまいがちですが、詳しくは下のコラムをチェック!

「PEFC認証」とは
1999年6月に欧州で発足。適正に管理された森林から伐採された木材を使用している商品につけられる認証マーク。伐採した分だけ、植林を行うことで、持続可能な社会活動を可能にし、林業へのサポートも行う。
※ロゴはSGEC/PEFCジャパンの許可を得て使用しています。
木軸づくりで最も難しい点は、日によって状態の違う木を扱わなければいけないことだそう。
「木は、切られて木材になった後も生きているんです」と杉谷さん。湿気があると曲がりやすく、乾燥していると割れやすい。木の種類によっても、その日の天気によっても違うから、長年の感覚で培った微細な調整が必要とされます。職人さんの技術があってこそのあの持ちやすさ!
Penonの木製ボールペンが出来るまで
【STEP1】半円の溝をつくる
カリフォルニア産のヒノキ科の木材を使用。スラットと呼ばれる1枚の板に、インク軸を入れる溝を彫る。
【STEP2】2枚の板を貼り合わせる
溝を彫った面に接着剤をつけ、スラット2枚を重ね合わせる。金具でしっかりと締め付けて1日乾燥させる。
【STEP3】木軸の形に削る
乾燥させたスラットを木軸の形に削っていく。まずは上面を、その後、下面を削る。1枚のスラットから9本の木軸が完成。
機械の刃も手入れしないと、表面がざらついてしまう。
完成した木軸の数え方
木軸は正三角形の型に入れる。1段目は1本、2段目は2本となり、段数を数えれば、本数が簡単に計算できる仕組み。
【STEP4】ペンキを塗る
木軸にペンキを塗る。色がついていない木軸にも、透明のペンキを4度重ね塗りしてツヤを出す。
【STEP5】組み立て
木軸の穴に、ボールペンのノック機構を組みつける。品質確認をしながら、一つひとつ手作業で行う。
そうした工程を経て完成したボールペンがこちら!
Penonの木製ボールペン
動物をあしらった刺繍もメイドインジャパン

ノック部分のハンドメイドの刺繡の旗がかわいいフラッグペンは、木軸特有の鉛筆のような持ち味が魅力。
独自の立体印刷技術でアートを感じる北斎ペン

アートペンは、独自の印刷技術を駆使し、葛飾北斎やゴッホら有名画家の絵画を木軸の表面に立体的に再現。
普段何気なく使っているペンですが、背景には未来への配慮と、職人さんの技がありました!
北星鉛筆株式会社
住所:東京都葛飾区四つ木1-23-11
TEL:03-3693-0777

北星鉛筆株式会社 社長
杉谷龍一さん
品質の高い商品を作るだけでなく、社会や地球環境に配慮したモノづくりを心がけています。木軸を削る工程で出るおがくずで粘土を作ったり、子どもたちの工場見学を積極的に受け入れたり、次世代へ受け継ぐ活動も行っています。
連載「マジカルファクトリーツアー」

大好きなモノのことをもっと知りたい。服や時計、靴などのアイテムがどうやって作られているのか調査するべく、編集部員が生産現場へレッツゴー!ここでしか知れないレアな情報満載でお届けします。
[LaLa Begin 2023年 2月号の記事を再構成]写真/中島里小梨 ※掲載内容は発行時点の情報です。