2020 Oct 30 Fri

スカート姿でも乗れるように造ったスクーター「ベスパ」の誕生秘話

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Vespa[ベスパ]第1回(全4回)

ベスパの「国語」:スカート姿でも乗れるように造ったスクーターの話

航空機や鉄道車両を製造していたイタリアのピアッジオ社は手軽で便利な交通手段としてバイクに注目していました。しかし、当時のバイクはエンジンがむき出しで、街で乗りやすい造りではありませんでした。

そこで、名うてのエンジニアの発想で、エンジンを覆って運転する人から離れた位置に装備し、シートとハンドルバーの間から燃料タンクをなくしました。そうすることで、女性がスカート姿でも乗れるようになったのです。

さらに、ベスパ誕生当時は未舗装の道路も多く、ふつうの二輪車で走り抜けると水しぶきが撥ね返って、足元を汚してしまっていたそうです。そこで、おしゃれに気をつかうイタリア人的発想で、水しぶきが足にかからないフロントシールドを採用しました。

こうして、ベスパは庶民の足として瞬く間にヨーロッパから世界に広まっていきました。

NEW PRIMAVERA 50/125/150
クラシックな「946」のスタイルを継承し、1968年に発売された人気モデル「プリマベーラ」を現代的にアップデートさせたのがこちら。カラーも豊富で、ベスパ初心者にうってつけの一台です。写真のミッドナイトブルーの「ニュープリマベーラ 125 ABS」は42万5000円。50ccは34万円、150ccは45万円

約70年前のベスパの広告ポスター

生産開始後の数年は、速さや丈夫さをうたうストレートなメッセージで宣伝されていましたが、1950年代になると女性にもアピールする洒落たポスターが制作されていました。今やコレクターの間でも価値のあるアイテムになっています。

1945年に作られたベスパの原型

1945年12月に登場した試作車「MP6」は、従来のオートバイの常識を打ち破るものでした。片持ち式のサスペンションを航空学から取り入れたり、フレームの代わりに耐荷重スチール製モノコックボディを選んだりと、斬新な発想の賜物でした。

ベスパはオートバイに乗る人のイメージを一変させ、男性はもちろん女性にも大きくアピールしました。女性は横座りの同乗者ではなく、前の席に座って運転するようになったのです。ベスパは有意義な社会変革をもたらした偉大な乗り物といえます。

[LaLa Begin2019年4-5月号の記事を再構成]構成・文/名知正登 イラスト/山本ゆうか

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