
【奥田民生やThe Rolling Stonesなど】お気に入りの靴とパンツで散策するときの音楽。Laura day romance・鈴木 迅さん選曲!
LaLa BeginのSpotifyプレイリスト! 1月編
季節に合わせて着たいスタイルや、LaLa Beginの特集から連想された渾身の10曲を毎月ご紹介するプレイリスト連載「服と音楽」。今月は1月10発売のLaLa Begin本誌とリンクして、”お気に入りのパンツと靴で散歩するときに聴きたい曲”をテーマに10曲を選曲。
選曲してくれるのは、バンド・Laura day romanceで作詞・作曲・編曲・ギターを担当するアーティスト、鈴木 迅さんです。
これまでの連載と、迅さんのプロフィールはこちらから。
1月のテーマ:最新号【パンツと靴の選び方】特集連想の10曲
今まで見ていた景色の見え方をガラッと変えてしまうような買い物ってある。
ただの一音楽好きであり、ミュージシャンである自分にとっては、イヤホンやヘッドフォン。全然違う聴こえ方をするいつもの音楽に、意味もなくドキドキしてしまいなんとなく出歩いてみたりする。
そしてもう一つが今回のテーマである靴とボトムス。始めて新しい靴を履いて出かける日は、これまた執拗に足元に注意したりして、意味もなくドキドキする。ちょうどよく僕も年末、人から靴をもらってこれがもうたまらなく可愛い。これを履いてどこ行ってやろうかなーとずっとワクワクしているけど、バンドは準備することだらけでなかなか出かけられず。そんな状況の中お気に入りの靴、お気に入りのボトムスと出かけるためのプレイリストを、妄想でバッチリ用意しました。
僕より一足先にお気に入りのアイテムとの散歩をこのプレイリストともにお楽しみくださいー。
fun. – Walking The Dog
歌詞は悲しき男の独り言。なのに弾けるようなボーカルに加えて、主人公の心象世界までトリップさせてくれるようなシンセサイザーや派手なビート、キャッチーなギター。このアンバランスさが作り出す、切なくて爽やかな味わいは、自分がこの曲が流れる映画の主人公になったような気分にさせてくれます。そんな心地になったところで、ボーカルのNate Ruessは歌う「It’s not like a movie」。
Big Thief – Blue Lightning
去年たくさんの音楽好きにとって年間ベストアルバムであったはずの「Dragon New Warm Mountain I Believe In You」をリリースしたアメリカのバンド Big Thief。僕も本当に一年中聴いたアルバムでしたが、アルバムの最終曲であるこの曲は、ボーカルAdrianneがメンバーへのメッセージソングとして「あなたの結ぶ靴紐になりたい」と歌う。この歌詞でついつい選曲。
Walking The Dog – The Rolling Stones
プレイリスト一曲目と、同じ曲名。「Walking The Dogは大雑把に言えば「連れ立って散歩する」ってな意味合いらしいですが、こちらは女性を軽く散歩に誘ってみせる曲とのこと。寂しく夜道を歩くfun. とはだいぶ違いますが、初期のThe Rolling Stonesのヤンキー感溢れる演奏が気分を上げてくれます。原曲のRufus Thomasの演奏はもっとコミカルな印象。
The Beths – When You Know You Know
この連載初のニュージーランド出身バンド The Bethsの一曲。僕は英語が堪能ではないので、プレイリストに入れることにしてから歌詞について調べるのですが、曲調から想像した通り主人公は物思いにふけりながら歩いたり走ったりしていました。言葉が完璧に分からなくても伝わるもんですね。なかなか切ない歌詞なのですが、天才的なメロディーとの組み合わせも最高です。散歩との相性は言わずもがな。
奥田民生 – 恋のかけら
ソングライターは、身の回りにある何から何までを取り上げて、そこから色々と連想して曲を作り上げるものです。特に偏愛を題材に曲を作ると生き生きするもので、それが恋愛だったり車だったりするわけですが、奥田民生さんだったら、それが放浪や旅に当たると勝手にイメージしています。この曲もふと目に入った景色から、人生の意味まで透かすような歌詞。カラッとしていて風を気持ちよく感じれそうな曲。
Fred Astaire – Stepping Out With My Baby
友達の映画好きに薦められた Fred Astaireという、ミュージカル映画全盛時代のスター俳優は去年1番の発見。
これは歌手でもある彼の一曲ですが、歌声のスムーズさもさることながら、ここでダンスです!と言わんばかりの演奏陣のソロのせめぎ合いがかっこいい。
Matt Berninger,Phoebe Bridgers – Walking on a String
今までの曲よりもダークなテイストながら、今やアメリカを代表するアーティストでもある二人のデュエットは気高ささえ感じさせます。自分が逃れられない一種のつながりを糸の上を歩いていくと表現する、この曲は2019年屈指の名曲。僕は夜一人で歩く時聴いてしまいがちです。
Wilco – Walken
もはやこの連載にてお馴染みのバンドであるWilcoですが、こんな可愛げのある曲も。Wilcoのインスタグラムでは、ファンがペットと散歩しながらこの曲を聴くという投稿を公式アカウントからリポストする試みをしていて、癒されます。アメリカの国民的バンドはこういうところにも抜かりがないですね。
Say She She – Prism
去年出会った中でもトップクラスで衝撃だったニューヨークのバンドSay She Sheのデビューシングル。演奏がテクニカルだったり、複雑だったりすると散歩に合わなかったり、変に集中してしまったりするんですが彼女たちの音楽はちゃんと踊れるってところを前提にしている気がします。なのでノリノリで聴ける。
You Don’t Mess Around with Jim – Jim Croce
今回のプレイリストラストは、遅咲きのシンガーソングライターJim Croceの1972年のアルバムから。NetflixのドラマでJimというキャラクターに因んで使われていたことも記憶に新しい。軽快なビートとストーリーテリングで魅力的な曲に満ちたこのアルバムでヒットしますが、そのあと事故で他界。長い付き合いになるお気に入りって、派手さはなくても飽きのこない作りの良さがあったりしますが、彼の曲はまさにそんな感じ。だからこんなに長年愛されてるんだろうなと思います。
新年そんな長い付き合いになりそうな靴やボトムスを見つけてみるのも楽しいかもしれません。今回はこの辺で!