2022 Jul 05 Tue

200年続く銘菓!『とらや』羊羹の定番「夜の梅」の名前の由来とは?

TORAYA[とらや]第1回(全4回)

200年続く銘菓! 時代を超えて愛される羊羹

なぜ羊羹に“羊”という漢字が入っているか知っていますか? “羹(あつもの)”とは汁物のことで、羊羹はもともと中国の羊の肉を使ったスープのこと。鎌倉~室町時代に中国に留学した禅僧より点心(食事と食事の間に食べる小食)として伝えられました。

禅僧は肉食が禁じられていたので、小豆や小麦粉、葛粉を使って羊の羹に見立てた料理として作られたと考えられます。

時代とともに甘みが加わり、蒸羊羹が誕生、江戸時代後期に寒天を用いた煉羊羹が作られ、主流となりました。

時代を超えて愛される羊羹
とらやのスタンダードアイテム。小倉羊羹「夜の梅」 中形羊羹1512円

とらやの「夜の梅」の歴史は古く、菓銘(菓子の名前)は、今から300年以上も前の元禄7年(1694)の古文書に見ることができます。羊羹としては、およそ200年前の文政2年(1819)の記録が最初です。

「夜の梅」という名前からすると梅味を想像するかもしれませんが、中身はシンプルな小倉羊羹。羊羹の断面に見える小豆の粒を、夜の闇にほの白く咲く梅の花に見立てて銘がつけられました。

つややかで重厚な姿、黒文字(菓子楊枝)で切るときの感触や舌ざわり、小豆など素材のほのかな香り、菓銘の響きなど五感で味わってみてください。

江戸時代の菓子見本帳が和菓子づくりの土台になる

江戸時代の菓子見本帳が和菓子づくりの土台になる

菓子見本帳とは、いうならば和菓子のカタログのことで、とらやに残る元禄8年(1695)作成の「御菓子之畫圖(おかしのえず)」が、現存するものでは日本最古といわれています。見本帳には絵図と菓銘が記されています。なかには原材料が書き添えられているものもあり、当時の菓子の製法をうかがい知ることができます。とらやでは今もこの見本帳を菓子作りの際などに活用しています。

ブランド研究【とらや】

とらや

室町時代後期の創業以来、約500年の歴史を持つ和菓子界の老舗「とらや」。羊羹をはじめとする和菓子は、歴代天皇、大名、文人など世代も立場も超えて親しまれてきました。そんな、和菓子と日本の文化を長く支え続ける「とらや」の歴史を紐解いていきましょう。

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[LaLa Begin 2022年 6-7月号の記事を再構成]写真/武蔵俊介 イラスト/渡邉 唯 構成・文/名知正登 ※掲載内容は発行時点の情報です。

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