2022 Aug 09 Tue
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花柄ワンピースで一世を風靡した「ピンクハウス」から80年代ファッションを知る!

装い今昔物語 第5回 昔の雑誌を紐解けば、今の装いが見えてくる。連載一覧はこちら

いであつこ

仏・イボルンヌ大を主席で卒業。平成服装女子学院トレンドマスコミ学部准教授。服飾誌研究家として活躍中。コラムニストのいであつしとは双子の兄妹。

ボーイな女だって、花柄のワンピースは大好き。そこで今回は、80年代に一世を風靡した「ピンクハウス」を取り上げてみましょう。

ピンクハウスとは、多くの有名デザイナーを輩出している「文化服装学院」で「花の9期生」と呼ばれる中の1人、金子 功さんがデザイナーのDCブランドです。花の9期生は他に「KENZO」の高田賢三さん、「ニコル」の松田光弘さん、コシノジュンコさんと、そうそうたる顔ぶれなのでした。

雑誌『soen』の92年7月号で特集している「ピンクハウス物語」を紐解いてみると、ピンクハウスがブームになったのは81年のことです。

やがてやって来るDCブランドブームの頃には、メンズの「カールヘルム」、大人の女性向けブランド「インゲボルグ」、そしてデザイナー名を冠した「KANEKOISAO」などなど、ピンクハウスから人気ブランドが続々とデビューしました。

ピンクハウス

ヒラヒラの長い飾り紐やリボンがついた花柄のスカートやワンピースに、カーディガンやブルゾンを重ね着してペチコートをのぞかせるのが、ピンクハウススタイル。当時は街中で、ワンピースから垂れている飾り紐を見て「お嬢さん、紐がほどけていますよ」と親切に注意されちゃうピンクハウスファンが大勢いたのでした。

ちなみに2018年に放送されたNHKの朝ドラ『半分、青い。』で、女優の井川 遥さんがこの当時のピンクハウススタイルを着て演じて、往年のピンクハウス世代のオバサマたちの間で話題沸騰に。

ピンクハウスに合わせる靴は、「KISSA」のチロリアンシューズがお約束です。当時でも珍しかった女性の靴デザイナーの高田喜佐さんのシューズブランドで、メンズのチロリアンシューズも人気がありました。

そしてピンクハウスといえば欠かせないのが、毎シーズン、ルックブックの代わりに顧客に届くイラストレーターの大橋 歩さんが描いたポストカードです。ファッションイラストレーターの先駆けで、ご自身もピンクハウスファンだった大橋 歩さんが描くピンクハウスの世界観は、それはそれは素敵なのでした。

デザイナーの金子 功さん、シューズデザイナーの高田喜佐さん、イラストレーターの大橋 歩さん。この3人で創るお洒落で可愛らしいピンクハウススタイルは、DCブランドブームの熱狂を経て夫婦漫才の芸人さんまで着るようになり、終焉しました。

でも春はやっぱり花柄のワンピースを着たくなっちゃいます。今年はピンクハウスみたいな着こなしでね。

おせっかいなファッション用語辞典

  • DCブランド

    「デザイナーズ&キャラクターズ」の略で、80年代に大ブームになったアパレルメーカーによるファッションブランドの総称。「ラフォーレ原宿」や「渋谷パルコ」が聖地だった。詳細はいずれ当コラムで。

  • 大橋 歩

    日本を代表する女性イラストレーター。60年代に雑誌『平凡パンチ』の表紙で描いたアイビーファッションの若者たちのイラストが有名。エッセイやイラスト集など著書も多数。ボーイな女の大先輩。

  • 「KISSA」のチロリアンシューズ

    女性靴にデザインの概念を持ち込んだシューズデザイナー、高田喜佐の代表的な靴。日本でパラブーツの展開がなかった時代に、ビブラムソールの本格的な作りで靴紐にリボンをあしらったりしている。

連載「装い今昔物語」

装い今昔物語

昔の雑誌を紐解けば、今の装いが見えてくる。

連載目次へ

[LaLa Begin 2022年 4-5月号の記事を再構成]資料協力/神保町magnif マンガ/しまだたかひろ ※掲載内容は発行時点の情報です。

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