
オーダー半年待ち⁉服好きに話題のレザーシューズを求めて下町へ!
マジカルファクトリーツアー 第10回 服や時計、靴などのアイテムがどうやって作られているのか調査するべく、編集部員が生産現場へレッツゴー!連載一覧はこちら
オーダー平均半年待ち!? 服好きの間で話題沸騰中のレザーシューズのうわさを聞きつけて向かったのは、東京の下町でした!

私が行ってきました!
編集部 カギモト
昨年購入したサンダースのミリタリーダービーをきっかけに革靴に目覚め、ただいま次なる1足をリサーチ中!
“革”が“革靴”になる瞬間……!
革靴をスニーカーのようにガシガシ履くのに憧れているんですが、なんとなく疲れそうで「おしゃれは我慢」のイメージがありました。
そんな折に聞きつけた、「履きはじめから足なじみがいい」と服好きの間で評判の革靴のうわさ。
「これだ!」と日暮里・舎人ライナーに飛び乗り向かったのは、東京・足立区江北にお店を構えるシューズブランド「ナカムラシューズ」。下町情緒漂うお店に着くと、人情味あふれるご夫婦が温かく出迎えてくれました。

服好き注目のブランド
ナカムラシューズって?
靴の職業訓練校で出会った中村隆司さん・民さんご夫妻が1998年にスタート。老若男女を問わないベーシックな靴作りは、大手のみならず地方セレクトからも注目の的! 現在はスタッフ1名を加えた3名で営業中。
まず最初にお邪魔したのは、1階の工房。レザーの裁断から、アッパーの作成(製甲)とつりこみ、アウトソールの接着など、ナカムラシューズの靴作りのすべてが行われているそう!
まさに「下町の町工場」という言葉が似合うこの空間で、まっさらな革が1足1足立派な靴に仕立てられていくんですね〜。
1階がシューズ作りの全工程を行える工房に!
職業訓練校時代の恩師から譲り受けたブラッシングの機械はまだまだ現役!
ご主人の手で、みるみるうちに木型にレザーが糊付けされていく光景は圧巻!
2階の店舗に上がると、棚一面にずらりと並んだ革靴がお出迎え。じつはナカムラシューズでは、自分の好みで一から革靴をオーダーできちゃうんです!
所狭しと置かれた大量のサンプルを参考に、あーでもない、こーでもないと作り上げた理想の1足なら、愛着が湧くこと間違いなし。
ここで一からオーダーできます!

Q これは何の道具?

A. こちらは靴のウィズの微調整に使うもの。靴を金型にはめ込み、内側から押し広げることでレザーが伸びて、フィット感もアップするんだとか。
オーダーの流れ
(1)デザイン選び
まずはデザインから。定番のプレーントウにスリッポンやストラップなど、全10型をユニセックスで展開! いきなり悩ましい……。
(2)ウィズ&サイズ選び
民さんのアドバイスも受けながら、自分の足にぴったりなウィズ(足囲)とサイズを測定。日本人の足ならほぼカバーできるのでは!?というぐらい豊富なサイズ展開も魅力です。
(3)レザー選び
定番のヌメ革をはじめ、防水加工を施した防水ヌメ、さらにはキップ、ゴート、ヤクなど少々マニアックなレザーも! 性質やエイジングもそれぞれ異なるので、履くシチュエーションも考えながら選ぶのもおすすめ。
(4)アウトソール選び
最後にアウトソールを選んでオーダー完了! 履き心地重視で選ぶのもいいけど、ソールによっては靴の印象を左右する、意外と見逃せないポイントなんですよ。
サービスの一環で行っているアウトソールの張り替えは、他ブランドの革靴でもOK! お気軽にご相談を。
そうした工程を経て完成した革靴はこちら!
個人的にも大好物のぽってりトウ
プレーントウ

ドイツの健康靴に用いられていたラスト(靴型)を採用しており、履き心地はもちろん、健康靴ならではのぽってりシルエットはカジュアルにも使いやすい。ちなみに現在ブランドで展開しているすべてのラストは、ご主人が靴の職業訓練校に通っていたころの恩師から譲り受けたものをベースにしているそう。
現在オーダーは半年待ち(!?)とのことですが、楽しみに待つのもまた一興ですよね!
ナカムラシューズ

住所:東京都足立区江北4-5-4
TEL:03-3898-1581
営業時間:10:00~18:00
定休日:水・木(祝日の場合は営業)
連載「マジカルファクトリーツアー」

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[LaLa Begin 2021-22年 12-1月号の記事を再構成]写真/久保田彩子 ※掲載内容は発行時点の情報です。