
遊び心から生まれた国民的和製キャラメル「ボンタンアメ」。実は味のバリエーションも多い!?
BONTAN AME[ボンタンアメ]第1回(全4回)
餠ともキャラメルとも形容しがたいもちもちとした食感と、甘さの奥にほんのりと柑橘の香りを感じるボンタンアメ。この不思議な食感と爽やかな風味が魅力の国民的な駄菓子は、鹿児島県にあるセイカ食品で製造されています。

誕生は1924年。そのルーツは熊本の郷土菓子、朝鮮飴にあります。
菓子問屋を営んでいたセイカ食品の前身、鹿児島菓子の水飴工場で、従業員が水飴で作った朝鮮飴をハサミで小さく切って遊んでいるのを見たのがヒントになったと言われています。
商品名の由来は鹿児島特産の果実、ボンタンから。鹿児島の素材を活用した菓子を作りたいという思いのもと、朝鮮飴にボンタンの果汁を混ぜて作った商品なので「ボンタンアメ」と命名されました。
発売当初はチンドン屋などで地道に販路をひろげましたが、駅のキヨスクで取り扱いが始まると、その名は一気に全国区へ。当時、水飴が売れずに窮地に立たされていたセイカ食品を救う立役者にもなりました。
発売からもうすぐ100年。年間で約7000万粒(!)を製造し、変わらぬ姿と味を守り続けています。
積極的なPR活動でボンタンアメを売り出し!

発売当初は陣羽織に旗指物という出でたちでチンドン屋部隊を結成し、日本全国くまなく回って宣伝。さらに、ボンタンアメの広告塔を兼ねた配送車や三輪車を走らせて積極的な広報活動を展開し、認知度を高めていきました。