
ヴィンテージ家具でつくるコージーな空間とおすすめのお店
トレンドに踊らされるレディスとは違って、変わらぬ基本スタイルがあるメンズのファッション。ベーシックって一体何?と迷えるあなたに、Shinzoneディレクター・染谷真太郎さんが考える、メンズのおしゃれ心をお伝えします。連載一覧はこちら。
女性にこっそり教えたい メンズのベーシック 【第6回】インテリア
寒さも本格的になり、家の中で過ごす時間も増えてくるこの季節。家で温かいココアを飲んだり、本を読んだり。自宅のインテリアが充実していることで、過ごす時間も変わってきます。今回のコラムは「インテリア」について。
多くの方に、「どんなインテリアのお家なんですか?」や「お店みたいにオシャレなお家なんですよね?」などと聞かれることがよくあります。おしゃれかどうかよりも、「コージー」(心地よく) で「整理整頓されている」かどうかがとても重要です。
モノが少ないミニマムな空間だと生活感がなく落ち着かない。けど、モノで溢れかえってるのもイヤ。適度に好きなモノに囲まれていることが大事なんだと思います。
本や雑誌が大好きだから、大量の本をどう収納するかが常に課題。自宅は古い木の家具が多いのですが、修繕されて清潔な状態のものを吟味し揃えて使っています。「ヴィンテージが好きなのに、綺麗好き」っていう、ものすごい自己矛盾(笑)。
なぜ古い木の家具が好きかというと、直して使うことが出来て当時の高い技術と材料そのものが、現在のものより魅力的だからです。傷がついても直せるものは直せばいいし、直らなければそれは思い出。
時計やバッグとかと一緒で、キズは日記みたいなものと捉えたら全然アリ、アリ。北欧の文化では家具は世代を超えて受け継いでいくものだそう。使い捨てずにものを大事にすると同時に、資源を無駄にしない、とても合理的な考え方だと共感することができます。
ヴィンテージの家具は信用できるお店で購入すると安心です。おすすめのお店は、銀座の「LucaScandinavia」、大阪の「Swanky Systems」、僕はこの両店の素敵すぎるセレクトに痺れています。目利きとはまさにこのこと。
目黒にある「NO NAME PARISH」もメンズライクなセレクトで、メンテナンスが素晴らしく、ヴィンテージなのにとても綺麗な状態で信頼のおけるお店です。いずれのお店も、気さくに家具やインテリアの相談ができることがおすすめできる理由です。
ただ、全てヴィンテージの家具だけで揃えているわけでは無く、IKEAなどもミックスして全体が渋くなり過ぎないように楽しんでいます。
もう一つ大切な要素が、「グリーン」の存在。空間の中に緑があるだけで、空気が澄んでいる感じがして、リビングには欠かせない要素です。そんな「グリーン」については、また改めて。
好きな家具のテイストを見つけて、小さくてもグリーンを飾る。これがコージーなインテリアを作っていく秘訣。一度に全てのものを揃えようとすると上手くいかないことが多いので、ゆっくり揃えて、インテリアを育てていくのも楽しみの一つだと考えています。
みなさんの、気持ちの良い空間づくりの参考になればうれしいです。
[LaLa Begin2018年2-3月号の記事を再構成] イラスト/酒井マオリ
Profile
染谷真太郎
1980年生まれ。ロンドン留学帰国後、2001年20 歳の時に表参道にShinzone(シンゾーン)オープン。全て独学で、セレクトショップを運営するという奇跡を起こす(笑)。男性ならではのセレクトで、ONE&ONLYなショップを志して奮闘する日々。 Instagram@shinzone_shintaro_someya www.shinzone.com/