
【日本の文具史を遡る】初の国産万年筆はいつ発売? スケッチブックといえばどのブランド?
日本の名文具たち 第1回 「ガラパゴスケータイ」なんて言葉もありましたが、日本の文具も独自の進化を遂げています。というのも、欧米でタイプライターが打たれていた時代も、日本では手書きが主流。そんな歴史が土台にありつつ、手先が器用で、海外の技術を応用したり、アイディアに長けているという国民性を活かした文具が作られてきました。
だから日本の文具は、生活を支える実用品として、質実剛健な名品ぞろい。当たり前のように使っているその文具にも、じつは深い歴史が詰まっています。
「日本の名文具たち」連載一覧(順次公開予定)
- 【日本の文具史を遡る】初の国産万年筆はいつ発売? スケッチブックといえばどのブランド?
- 誰もが知るあの輪ゴムのブランドは? 鉛筆削り専門メーカーによるアイディア商品も
- 日本一のロングセラー「トンボ鉛筆の8900」やツバメノート、セロテープなど超メジャー級ぞくぞく!
- 世界初・刃を折るカッターナイフや、“象が踏んでもこわれない”筆入など【日本の文具史を遡る Part4】
- Rollbahn(ロルバーン)のメモ帳やPLUS(プラス)のチームデミなど【日本の文具史を遡る Part5】
- 時代を超えて愛され続けるヨーロッパ&アメリカ製の傑作文具7選
日本の文具史を遡る Part1(615年→1920年)
615年頃
聖徳太子が書き残したともいわれる「法華義疏」は現存する最古の紙の文書。
794年〜
貴族の間で筆と墨を使うことが一般的に。
812年
空海が唐の造筆法で作った筆4本を嵯峨天皇に奉献(ちなみに狸毛)。
1274年頃
持ち歩ける筆記具「矢立」が士たちの間で広まる。
【POINT】芭蕉も使った「矢立」

明治時代まで長く使われた携帯用和文具で、墨を染み込ませた綿と筆を筒に入れ、根付で帯に吊るし持ち歩いていました。『奥の細道』にも矢立の記述が。
1603年頃
徳川家康のもとに、オランダ人から鉛筆が献上される。
1859年
日本人で最初に樋渡源吾が鉛筆作りを始める。
1884年
東京・日本橋の丸善で初めて万年筆が輸入・販売される。
1909年
パイロットの創業者の一人、並木良輔が製図用筆記具を改良し、特許を取得。1918年には日本初の純国産万年筆の製造販売を始める。

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