
今はきたいのはクリーンなデニム!爽やかな青のデニム4選
やっぱり青が好き・・・色に溢れ、どんな色だって好きに選べる時代ですが、青ってじつは、私たちの最も身近にある色かも? デニムやシャツの定番色だし、ジャパン・ブルーって言われるくらい日本人とは縁が深い。ここらで一度、青を見つめ直し、好きな理由を掘ってみようと思います。
やっぱり青が好き第3回(全9回)「デニムが好き!」
みんな、土臭い青ではなく、爽やかな青を目指してる
今はきたいのはクリーンなデニム
本来デニムは労働者のためにつくられた服だから、古いものだと色あせていたりダメージがあったりと、ちょっと土くさい。それも魅力ではあるんですが、今、デニムの作り手たちが目指しているのは断然、クリーンなインディゴデニムなんです。
例えばサキュウ(上)のような、ごく自然なインディゴデニムはその代表格。摩擦によるアタリ(経年変化による色落ち)を楽しむデニムであれば硫化染料で地染めを施すところ、はき続けてもクリーンな青のままであるために、あえて硫化染料の力を借りずに染めるというこだわり。透明感のある澄みきった青は、デニムスタイルでも爽やかに決まるんです。
爽やかデニムの作り手に聞いた“青”の主張
CAQU(右)
インディゴ本来の爽やかな青み
鶴丸直樹さん(デザイナー)
マリリン・モンローをイメージした深ばきデニムは「硫化染料による色調整をせず、季節の気温変化で起こる色ブレは職人技でコントロール。インディゴ本来の爽やかな青、手染めに限りなく近い青に仕上げました」サキュウのデニム「アンティークデニム/モダンクラシック」2万円(サキュウ ルームストア)
SERGE DE BLEU(中・右)
ムラの少ないクリーンなフレンチブルー
森 光弘さん(デザイナー)
ヴィンテージ調のモダンなデニムが評判のこちら。「オーガーニック綿を使い深みのあるきれいなディープブルーを表現。イメージは古き良きフレンチデニムです。花のフラワーオイルに漬けた優しい肌触りも自慢」サージのデニム「ドライ スタプレ」1万8500円(ショールーム セッション)
HOLLYWOOD RANCH MARKET(中・左)
草木染めを組み合わせた自然なブルー
神成竜太さん(聖林公司プレス)
デニム好きな男性も一目置く発色。「タテ糸は昔ながらのロープ染色によるインディゴ色、ヨコ糸はタンニンや草木で染めた自然な生成り色。この組み合わせにより、深みのある青と通なアタリの両方楽しめます」ハリウッドランチマーケットのデニム「PP4XXⅡ」1万8000円(ハリウッドランチ マーケット)
HYSTERIC GLAMOUR(左)
60年代の彩度のいいブルー
山神憲靭さん(ディレクター)
目指したのは1960年代の傑作デニム。「ロープ染色の回数を調整し、当時の濃すぎず薄すぎない彩度のいいオールドブルーを色落ちした状態で再現。あえてレーザーでリアルに再現したヒゲやアタリも見所です」ヒステリックグラマーのデニム「SP加工ストレッチデニム スリムパンツ」2万6000円(ヒステリックグラマー)
Blue dictionary.
Indigo【合成インディゴ】

希少な天然インディゴに代わるものとして、19世紀末にドイツで生まれた合成染料。鮮やかな藍色で染めムラがなく均等に美しく染まる。インディゴを大量生産できるようになり、ほとんどのデニムが合成インディゴで染められるようになった。濃くしたり、色ブレを抑えたりするときは、硫化染めとの合わせ技で染色することもある。
[LaLa Begin2018年8-9月号の記事を再構成]写真 池本史彦 PYRTE FILMS / 竹内一将 STUH 文 間中美希子/ 灰岡美紗 スタイリング 長坂磨莉